「眠れてないときほど腹が減る」の根拠はどこに?

睡眠不足と食欲の関係を探る(前篇)

2017.11.10(Fri)漆原 次郎

エネルギー消費全体に差は見られず

――実験の結果について聞いていきます。まず、エネルギーの消費については、7時間睡眠者と3.5時間睡眠者でどうなりましたか?

有竹 7時間睡眠者が眠っていて、3.5時間睡眠者だけが起きている時間帯に限っていえば、3.5時間睡眠者のほうのエネルギー消費は増えていました。起きて活動をしている間はエネルギー消費が多くなるので、当然といえば当然です。他の先行研究でも同様の結果が得られています。

 ところが、エネルギーの消費全体について見てみると、7時間睡眠者と3.5時間睡眠者の間で、統計的有意差は見られなかったのです。先行研究では、睡眠を制限された人は、制限されない人に比べて最大7パーセントほど、エネルギー消費量が上回ったとする報告もあります。けれども、今回の実験では、3.5時間睡眠者のエネルギー消費は、7時間睡眠者よりも2パーセントほど上回ったのみでした。統計学的に見ても有意な差とはいえません。

睡眠時間とエネルギー消費の関係を示すグラフ。測定開始3時間後の24:00から3:30にかけては7時間睡眠者は寝て、3.5時間睡眠者だけ起きている時間帯であり、3.5時間睡眠者のエネルギー消費のほうが多い(*が有意差のあった時間)。だが、測定対象の48時間全体では、両者にエネルギー消費の有意差は見られなかった。(Hibi, M. et al. (2017) Sci. Rep. 7, 39640をもとに作成)
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――となると、もし、それでも睡眠時間の短い人の食欲が高まるのだとすれば、その理由は「長く寝ているときよりエネルギーがより多く消費されたから」とは別のところにあるのでしょうか?

有竹 実験結果からは、そういうことになります。先ほど、今回の研究では血液採取によって生化学的指標も分析したと言いましたが、あるホルモンの分泌量に7時間睡眠者と3.5時間睡眠者で有意な差が見られたのです。

後篇へ続く)

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