先入観ゼロで、ちょっと考えてみてください。
どこかに、日本人がたくさん集まっている状況を考えてみます。例えばスポーツの国際大会などで遠征チームと応援の人たちが偶然集まった、でもいい。
場所も、スタジアムであれ、街頭であれ、あるいは一杯飲んでるタイミングでもかまいません。
そんなところで、誰かが立ち上がって突然
「き~み~が~ぁ~よ~ぉ~わ~」と歌い始めたとします。何が起きるでしょう?
一概には言えませんが、そこそこ以上の確率で、一緒に歌い始める人がいる(面倒な言葉を使うなら「非線形の引き込み」などと表現して解析する場合があります)と言っても、不思議な顔をする日本人は少ないのではないでしょうか?
知っている歌を誰かが歌うと、つられて自分も、声を張らなくても歌い出してしまう・・・。こうした経験をお持ちの方は少なくないはずです。それが人間の生理で、これなくして幼児が母語を獲得することはできません。
音声言語を話すことができる人は、例外なくこの「引き込み」に引っかかる、そういう生理現象として押さえておいてください。
誰かが1人、「君が代」を歌うと、つられて君が代を歌い出す人がたくさん出てくる。またその中で1人シラケた顔をして黙っていると、歌を知らない場合は疎外感を感じるでしょうし、知っていてわざと歌わないと「どうして参加しないんだ!」という<同調圧力>にさらされる。
というのも、容易に想像がつくところと思います。イデオロギーは無関係、音声と言語を理解し操る知能を持つ霊長類の、必然の生理を述べているに過ぎません。
で、これを用いて人を調教することができます。