米国農業と聞いて、読者が最初にイメージするのは、日本とは比較にならない広大な面積で行われる大規模農業であろう。大量生産ゆえ日本と違って生産される作物の価格も安く、これを根拠に日本の農業も大規模化を図るべきだと長らく叫ばれてきた。
しかし、アメリカ農家の大部分は、日本同様、兼業農家であることを知っている人はどれだけいるだろうか? 規模こそ違うが、日本同様アメリカでも農業だけでは食えず、外に働きに出る農家が8割以上いる。
この程度のことは訪米前にも私は知っていたが、似ているのはそれだけではなかった。大規模化のパターンも同様なのだ。
これに気がついたのは、イリノイ州の大規模農場、ウェント・ファームでクライメートコーポレーションの農業用気象分析システム「フィールドビュー」(FieldView)の説明を聞いていた時だ(前回のレポート「元グーグル社員が開発、農地監視システムの実力は?」を参照)。
どこにどの程度雨が降ったのか、降雨量が色別に描かれている地図を見せて解説してくれていたのだが、何やら画面に四角い図形がたくさん描かれている(下の図)。まさか、これは同農場の畑の位置を示しているのか?