抗生物質の長期摂取、結腸ポリープと関連か 研究

患者のために用意された抗生物質。中国・北京の病院で〔AFPBB News

 4月6日、「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」の結果が発表された*1。これは、医師の勤務時間に加えて、勤務地の希望などを詳細に聞いたもので、全国の医師10万人を対象に配布し、1.6万件の回答があった。

 その結果、医師の約半数が地方での勤務意志があることが明らかになった。特に50代以下では、51% (5449/10650)が地方での勤務意志ありと回答した。

 この「地方」の定義は、「東京都23区及び政令指定都市、県庁所在地等の都市部以外」であり、日本の人口の約6割を占める。

 大規模な設備が必要な先端医療や希少疾患の医療は都市部でしか成立しないことを考慮すると、基本的な医療が日本中で提供できることを目標にするならば、十分な数の医師が地方での勤務を希望としていると言える。

医師の流動性を阻害する医局人事

 つまり、医師が希望どおりに勤務地を選ぶことができるならば、地方の医師不足は緩和される可能性がある。では、何がその希望を阻むのか。

 今回の調査では、地方勤務を希望しなかった医師に対して、その理由を聞いている。それによると、全世代を通じて仕事内容、労働環境という回答が多い。加えて、20代の3位、30・40代で5位となった理由が「医局の人事等のためキャリア選択や居住地選択の余地がないため」であった。

 私が注目したいのはここだ。地方の医師不足解消には、医師の流動性を高めることが解決策になる。しかし、医局がその流動性を妨げている可能性がある。

 医局とは、大学の教授を頂点とするピラミッド型の組織である。もともとは、医局は関連病院に医師を派遣するため、一定の流動性を保つ役割を果たしていた。これを根拠に、医局関係者は「医局が地域医療を支えてきた」と主張する。

 しかし実際には、溜め込んだ医師の運用は非効率で、ダブつかせることが多い。その象徴が、医局の本丸たる大学病院だ。このことは、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」座長の渋谷健司先生の投稿*2にも描かれている。

 「大学付属病院での臨床実習に参加した時、私は衝撃的な光景を見た。それは、60代の医者が慣れないオペをし、その横で30代半ばの油が乗った医者が、人工心肺を冷やすために、ただひたすら氷を割る作業をしていたことだ」

*1http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000160954.html

*2http://www.huffingtonpost.jp/kenji-shibuya/doctor_work_life_balance_b_15857308.html