1987年にベルリンの壁の前で演説する米国のレーガン大統領(当時)。レーガン大統領は執拗なインフレを退治し、米国を長期的な繁栄に導いた(資料写真、出所:Wikipedia

 このところ資産運用の世界で、大きなパラダイムシフトが起こりつつある。長年続いた低金利の時代が終わり、金利上昇が本格化するのではないかとの見方が台頭してきているのだ。

 もしこの転換が本物だった場合、個人の資産運用は抜本的な転換を迫られることになる。金利が上昇し、インフレが進む局面において、銀行預金に依存し過ぎることはリスク要因となる

 そこでこの集中連載では3回にわたって、新しい時代を迎えつつある個人の資産運用と金利の動向について論じてきた。第1回は投資に際して「金利」の動向をつかむことの重要性について、1980年代のバブル崩壊やリーマンンショックなどを例に解説し、第2回は金利が持つ本質的なメカニズムについて述べた。

(第1回)資産家がわざわざローンを組んで不動産を買う理由
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49620
(第2回)あなたは『金利』の正体を知っていますか?
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49631

 最終回は、過去100年間の金利動向などから、今、発生しつつある金利上昇というパラダイムシフトについて探っていく。

 なお、2月に上梓した『最強のお金運用術』(SBクリエイティブ)では金利についてさらに詳しく解説しているので、参照していただきたい。

米国の金利が上昇している本当の理由

 これまで解説してきたように、金利の動向というものは、その国全体の経済成長率と密接に関係している。短期的には金利は様々な要因で上下変動するが、長い目で見れば、長期金利の水準は、その国の名目成長率に収れんしていく。