【第10回】
日本の高度成長を支えた、「正解」をいかに早く覚え、再現するかという従来の教育は、「答えのない時代」を迎えた今、うまくいかなくなった。日本の国際競争力を高める人材を育成する上で、障害となっているものは何か。21世紀の教育が目指すべき方向は何か。
本連載では、特色ある教育制度を取り入れている先進国の動向から、日本の教育改革の方向性を導き出す。
(前回の記事「講義型から対話型へ。世界で活躍する人材を育てる『考える教育』」はこちら)
日本には「学び直し」の場がない
次に、世界の「社会人教育」の現状を見ていきましょう。
世界では、社会人になってから、大学や大学院で学び直す人が非常に多いです。図-29を見ていただきたい。再教育をするために高等教育機関に戻ってくる社会人の割合が、OECDの平均では全体の20.4%です。日本はわずか3.1%。OECDの中でもずば抜けて低い数字です。
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