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 アメリカの大学の授業料が高騰していることは前回で述べた。それに伴い学生ローンの金額も徐々に上がっている。

 2016年に大学を卒業した学生の学資ローンの平均額は$37,172で前年より6%アップしている(※1)。米国国勢調査局の統計によると、2014年の米国家庭の世帯年収の中央値は53,657ドル(※2)。トップクラスの大学に合格しても、学費を全額払える家庭はごくわずかだ。

 カレッジランキング1位のプリンストン大学でも、58.8%が何らかの経済的援助を受けている。大学進学にかかる費用をどう捻出するかは、新聞などのメディアで繰り返し特集されるホットな話題なのだ。

 住宅の場合、一般的には収入に応じたローンしか組めないが、学資ローンは返済能力の審査なしに借りることが可能なので、それなりの定収入が得られる職に就けなければ、返済は大きな負担となる。

 そこで、大学を投資額の回収という観点から分析したのが、PayScale社の《カレッジROIランキング》だ。これは卒業生が社会に出てから20年間で得た平均収入から学費を引いた純投資利益で大学を格付けしたものだ。

 下記が2016年の投資対効果の高い大学のランキングトップ10だが、U.S.Newsのランキングとは大学の顔ぶれや順位が異なることがおわかりいただけると思う。

※1 A Look at the Shocking Student Loan Debt Statistics for 2016
※2
Typical American family earned $53,657 last year
※3
College ROI Report