10月24日、中国海軍潜水艦が横須賀から釜山沖に向かうアメリカ海軍空母「ロナルド・レーガン」に接近していた事実が、先週、アメリカのメディアによって公表された。
この“接近劇”は、ペンタゴンやアメリカ海軍当局が公式かつ積極的に公表したものではない。だが、この種の情報に強い保守系メディアの「ワシントン・フリー・ビーコン」の取材に対して、米海軍は遭遇の事実を否定しなかった。
10月27日には、南シナ海でアメリカ駆逐艦「ラッセン」が中国人工島12カイリ内水域を通航するFON作戦(航行自由原則維持のための作戦、以下FONOP)を実施した。
そしてその翌日、今度は2機編隊のロシア爆撃機Tu-142「ベア」が、韓国海軍と合同訓練中の「ロナルド・レーガン」に高度500フィート、距離1マイル以内に接近したため、空母艦載戦闘機が緊急発進する事態も生じた(爆撃機ベアは長距離航続性能のために、しばしば今回のように偵察任務に投入されている)。
中国海洋戦力の強化と、ロシア海洋戦力が復活しつつあることに伴い、日本周辺海域はかつての米ソ冷戦時代よりも“騒がしい海”へと変貌しつつあるようだ。
接近したのは「改良キロ型」潜水艦?
中国潜水艦は少なくとも半日以上にわたって「ロナルド・レーガン」を近距離で追尾していたという。この事実そのものをアメリカ軍当局は否定していない。しかし、潜水艦に関するこの種の情報は、それが自国の潜水艦であれ他国のものであれ通常は発表されないため、今回の事案に関する詳細な情報は確認されていない。