小学校で教える内容は、果たして「簡単」なのでしょうか?
学期末、子供が通信簿をもらって帰って来たとしましょう。意気揚々ということもあるでしょうし、何とも後ろめたそうということもあり得ます。
あるいは中間テスト、期末テストの答案を持って帰って来たとします。×がついている答え、親御さんはすべて、すらすらと、その場で解くことができるでしょうか?
さらに言えば、子供が分からないという部分を、親が直ちに分かりやすく解説してやることができるか?
「小学校」ですから義務教育もいいところで、日本国民なら誰でも修めていて当然の教科内容を扱っているはずです。
であるなら、お父さんお母さんも国民の大人としてマスターしていて当然なはず・・・。と言いつつ、その実「中学入試問題」など見てみると、小学生向けのはずなのに、なかなか難問ということも少なくありません。
さらに中学校の教科に至っては、義務教育と言いながら、親御さんには全く歯が立たない内容も珍しくないのかもしれない。
こうなると、何が義務教育なのか、子供に「こんなこと勉強して何の役に立つの?」と問われても、親自身がマスターしていないのだから答えようがない、ということになりかねません。
昨今の一部の大学では「リメディアル教育」のニーズが大変に強くなっているそうです。リメディアル教育・・・。聞き慣れない言葉かもしれません。
就職試験で分数、少数の計算など、小中学生レベルの筆記試験が出題され、答えられずに落とされるというケースなどがあり、それへの対策として、義務教育レベルの内容を大学生向けに補習する、といった内容ですが、「remedial」という言葉自体は「補習」という以前に「治療する」「救済する」といった語感を持ち、率直に尋常ならざるニュアンスも感じます。