89年のノーベル物理学賞、同姓同名の経済学者に連絡

ノーベル賞受賞者に贈られるメダル〔AFPBB News

 日本にばかりノーベル賞が来て、どうして中国や韓国に来ないのか・・・?

 しばらく前に「ノーベル賞本」を書いて以降、そういう問い合わせを(面白いもので)海外から受けるようになり、ソウルには2度、この種の講演で赴いたことがあります。

 酒宴では「ぜひ先生の本を韓国語で」と毎回言われるのですが、それが出たためしがない。そういうことが続くと、まあこちらもそういうものか、と分別して話を聞くようになりますが・・・。

 前回「ロビー活動に喧しい中国・韓国にノーベル賞は取れない」でも書いたとおり、率直に、中国にも韓国にも「ロビー」重視、実績の本質を見ない一定の悪弊があると思います。

 では、日本にはそういう悪弊はないのか・・・?

 と問われれば、いえいえ、残念ながら日本もしっかり、東アジア大中華文化圏の一員らしく、そういう悪弊は残っています。

 入試や就職はコネがものを言うだろうという思い込み、上の人に取り入れば何とかなるだろうという算盤勘定・・・情けないことですが、21世紀の日本にだって、そういうことはまかり通っているでしょう。

 しばらく前に、ある方面から「情実入社」的な依頼を受けてびっくりしたことがあります。

 「東大教授なんだから、それくらいのことできるでしょう?」と真顔で言われ、こちらも真顔で「何をおっしゃってるんですか?」と即座にすべてお断りさせていただきましたが、今でもどこかの本音に、そういうコネべったりみたいなことで、物事を誤魔化していく流儀が残存している。

 これがまかり通っている限り、「中国も韓国もノーベル賞に代表される国際的な知の明るみでイニシアティブは難しいのではないですか?」というお話ですが、実はこれ、日本も同様の面がハッキリあります。