ノーベル賞受賞研究の暗部、非人間的な発明も

ノーベル賞授賞式(2014年)〔AFPBB News

 今年のノーベル自然科学3賞が出揃ったところで、感慨深く思われることがあります。それは非西欧人科学者の活躍の正当な評価です。

 こうした見方に焦点を当てた記事を内外でまだ目にしませんが、思うところを記してみましょう。

非西欧人が5割の自然科学3賞

 初めにまず、今年のノーベル自然科学3賞の受賞者を振り返ってみます。

 医学生理学賞が、

ウイリアム・キャンベル(1930- アイルランドー米国)
大村智(1935- 日本)
屠ヨウヨウ(1930- 中華人民共和国)

 の3氏、この中では大村教授が最も若く、今後の活躍が正味で期待されていることが分かるでしょう。

 ここでは青色発光ダイオードのように日本の仕事というのでなく、国際的な業績評価で非西欧人が6割を占めていることに注目しておきましょう。

 化学賞は、日本ではひどい報道のされかたで「米国の大学教授ら3氏が受賞」という、ほとんど意味をなしていない、むしろ間違ったといった方がいい情報が出回り、頭痛とともにこれが現在の日本のマスコミの過不足ないレベルと再認識させられました。

トマス・リンダール(1938- スウェーデン)
ポール・モドリッチ(1946- 米国)
アジズ・サンジャル(1946- トルコー米国)

 の3氏がDNA修復の科学メカニズムの解明という業績で受賞しています。ガンとDNA修復の興味深い話題については回を改めましょう。

 ここでは、スウェーデンとして常に待望される「スウェーデン人ノーベル科学者」として、新たに70代(と言うのは若いということですが、その若手)のリンダール教授の名があり、今後はノーベル賞選考などの実務でも活躍と言うより働いてもらうことが期待されているように見えます。