今週の1位はノーベル平和賞に関する記事だった。織田邦男さんによる「世界に恥を晒した『憲法9条ノーベル平和賞』申請」である。今年のノーベル平和賞はマララ・ユスフザイさんに決まったが、日本国内では憲法9条がノーベル平和賞をもらえるのではないかとの期待が高まっていた。しかし、その期待は見事に外れてしまった。
ノーベル平和賞、エボラ出血熱、ササニシキ
この件に関して、織田さんはそもそもノーベル平和賞に応募すること自体、理由が分からないとしている。
なぜなら、ノーベル平和賞に応募した最大の理由である「戦争の放棄」は、実は世界99カ国が既に憲法にうたっていて日本独自のものではないからだ。
「井の中の蛙」という言葉があるが、世界を水に自分たちの常識だけで物事を判断してしまうことの怖さがよく出ている"事件"だった。
2位は世界的な蔓延が懸念されるエボラ出血熱についての記事。堀田佳男さんは今回の「蔓延するエボラ出血熱、死者500万人との予測も」だけでなく、アフリカで感染が広がり始めた時からこの問題を追ってきた。
JBpressにも今年7月に「蔓延するエボラ出血熱、死者500万人との予測も」、8月には「エボラ出血熱の治療薬が簡単にできない理由」を執筆、警鐘を鳴らしてきた。
感染すれば死に至る危険性が極めて高いウイルスにもかかわらず、エイズなどとは違って感染力が極めて高いのが特徴である。
さらに、期待されるワクチンの開発には最低でも数年はかかるとみられ、世界的な感染拡大は何としても食い止めなければならない。
一方、今週は3位にお米に関する興味深い記事が入った。「ササニシキはなぜ消えたのか?」である。
日本からササニシキが消えてしまったわけではないが、新しいブランド米が次々と誕生して消費者の評価を受けるなか、ササニシキは相対的に地位が低下してしまったという。
この傾向をどのように判断するかは分かれるところだろうが、1つのブランドに多数の生産者が群がるよりも、自分の地域で特徴ある高級米を作ろうという試みは高く評価できるのではないか。
炭水化物を抜くダイエットなどというものが一部で流行し、米の消費量は下がる一方だが、米は栄養のバランスが良く非常に効率的な食品であることは事実。
二期作、三期作が可能な東南アジアに比べると収穫量では差があるかもしれないが、きれいな水と空気、そして日本の高い技術が生み出す米は世界一であることは間違いない。さらに努力を重ねて圧倒的1位を続けてほしいものだ。