収穫直前、たわわに実った米

 炊きたての白く輝くごはんを口にするときこそ、日本人が幸せを感じる瞬間だ。店頭には多種類の米が並ぶが、「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」などのブランドにこだわる人も多い。どのような違いがあるのだろうか。

今年の新米は価格安

 新米の季節がやってきた。米穀店やスーパーの店頭に掲げられた「新米入荷」の張り紙に心躍らす人もいることだろう。今年は、西日本の天候不順にもかかわらず、出来高は上々。価格は近年にない低水準で、どの銘柄も安くなると予想されている。

 だが、価格安の理由は、単なる今年の出来高の良さからくるのではない。日本人の米の消費が年々減り続けているのだ。2011年の震災後の米価高騰が消費の低迷にさらに追い打ちをかけた。一方、2013年は豊作だったおかげで2014年は米の供給が過剰気味だとJAなどは分析している。

 白米を主食に味噌汁や漬物を組み合わせた日本人の食生活は、古くから続いていると思っている人が多いかもしれない。しかし、国民全体が主食として白米を食べるようになったのは、戦後のことだ。