本記事はLongine(ロンジン)発行の2014年9月4日付アナリストレポートを転載したものです。
執筆 笹島 勝人
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投資家に伝えたい3つのポイント
●メガバンク株が冴えず、堅調なTOPIXとのカイ離が広がっています。
●2006-2007年にメガバンク株はTOPIXよりかなり早く失速しました。空前の好決算でしたが、サブプライム問題と後のリーマンショック、予測不能で深刻な事象「ブラック・スワン」が存在したようです。
●それほど深刻な懸念は現在感じません。ただ両者のカイ離が広がり残るようだと、あくまで感覚ですが「当らないといい”イヤな感じ”」、なので注視しています。
メガバンク株と堅調なTOPIXのカイ離が広がるいっぽう
株式市場はここ数か月で堅調な展開が続き、最近では内閣改造や円安で一段高となっています。しかし、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、みずほフィナンシャルグループ(8411)のメガバンク株は、上がってはいるのですが、株価特性どおり一律冴えません。図表1をみると、2014年はじめから不振が始まっていることがわかります。さらにTOPIXは6月くらいから上昇が続いき、直近では1300を上回り終値で年初来高値を更新しつつあります。これに対しメガバンク株は、2014年6月の戻り高値すら下回ったままの状態です。実際に、2014年1月8日の高値を100とすると直近9月2日の水準は、TOPIXが99に対し、メガバンク株(単純平均、以下同)は84にとどまっており、カイ離が広がっていいます。