今週の1位は尖閣諸島を巡る米国からの提案「尖閣問題で日本が劣勢を跳ね返す“タブー”の一手とは」だった。それは国際司法裁判所に尖閣諸島の領有問題を日本から提訴せよというもの。
かつての勢いがなくなった日本車
尖閣諸島は日本古来の領土であり、日本が現在も統治している以上、本来なら日本からの提訴はあり得ない。
だからこそタブーの一手だという。しかし、そこには効果が計り知れないとして筆者の古森久義さんは米国の主張として5つの効用を上げる。
外交的に力を失っている米国のバラク・オバマ政権による一種の悲鳴とも聞こえるが、米国の傘あっての日本という現実を考えれば、その提案に耳を貸すことも必要かもしれない。
このほか、今週は中国、韓国関連の記事が上位に入った。2位「中韓の外交を狂わせる「愚民政治」の伝統」、3位「「腐敗した体制」はいつまで持ちこたえられるのか」などだ。
一方、海外メディアの報道で注目を集めたのが英エコノミスト誌の「日本の高級車:インフィニティの限界」だった。
記事のタイトルでは日産自動車の高級車ブランド「インフィニティ」を名指ししているが、ここで書かれているのはトヨタ自動車の「レクサス」をはじめとする日本車全体の高級車戦略についてである。
日本車はその品質の高さから世界で高い評判を得ているが、こと高級車部門に関しては、ドイツ車など欧州に逆に水を開けられ始めたというのだ。
確かに、日本人から見ても最近のトヨタや日産の高級車を見ていると、何か戦略性を感じない。このままでいいのかと思うことがしばしばあっただけに、エコノミスト誌の指摘にはうなずかされる点も多かった。
この記事は日本を批判しているのではなく、エールを送ってくれていると思い、日本車メーカーにはさらに強くなる戦略を描いてもらいたいものだ。自動車産業が弱くなれば、日本全体の弱体化に拍車をかけてしまうのだから。