外資系で実際働き始めると、外資系ならではの苦労も多い。薦める以上、外資系で仕事をするなら、キャリアをぜひ「楽しく成功」させてほしい。
外資系で成功している人を見ると、必ずしも天性のスターということはない。ビジネスセンスが良かったり、チームを引っ張って行くのがうまかったり、活躍の仕方は様々だ。
共通して言えるのは、外資系という組織にフィットしている(させている)ということだ。今回は、外資系の組織の特徴を把握して、その中で活躍できるようにしていく工夫をご紹介したい。
自分を組織にフィットさせることが成功への第一歩
どんな組織でも、自分が組織を変える力がなければ、自分が組織に適合するしかない。力がつけば、組織を形作る側に回ればいい。まずは、組織の特徴を掴むことが必要だ。
外資系で働き始めると、いくつかの組織運営の特徴が見えてくるだろう。
まずは、自分の将来は誰も決めてくれないこと。自分がどこに進んで行きたいのか、今、働いている会社で何を成し遂げたいのか、自分なりのビジョンを持つ必要がある。これが結構難しいのだが、持っている人といない人では大きな差が出てくる。
次に、人事評価が1年ごと(四半期、半期の場合もある)のサイクルで明確になされること。日系企業だと5年10年という長い目で人物が見定められていくが、外資系は1年1年が勝負だ。
そうすると、仕事の組み立ても見えてくる。1日を1打席、1週間を1試合と見立てて、4半期ごとに何らかの結果が出るようにして総括する。そうすると、仕事をただ片づけていくのではなく、1つの会議、1日、1週間に目的を持つことができる。
仕事の成果は、現状維持より挑戦・進歩が高く評価される。会社の目的は、長く存続することだけではなく、売り上げ、利益の成長なのだ。
良い成果だけでは十分でない。昇格、異動などは、日系企業以上に、社内ネットワークがものを言う。自分の社内マーケティング、すなわち自分のやりたいこと、成し遂げたことを社内の要人に見せることを怠ってはいけない。
そして、自分の能力開発は自分で責任を持たなくてはならないこと。一生懸命働いて仕事の結果を出し続けることはとても重要だが、それだけでは将来のアウトプットに伸びがなくなる。