紙の生産と消費が如実に示す世界経済の構造変化

米国では新聞用紙が3分の1に、中国は日本の10分の1・・・

2014.06.18(水) 藤原 秀樹
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前回の「実は環境にやさしくない古紙の利用」では、世界一の紙生産国である中国は、原料となる古紙だけでなく、古紙のもととなる化学パルプもまた、その多くを輸入に頼っていることを述べた。

 一方、先進国では板紙(主に紙器や包装に使用される厚手の紙)以外の消費量は減少している。まずはそれについて見てみよう。

紙・板紙の消費が伸びる中国、IT化の影響が顕著な先進国

 図1のように、板紙の消費量推移は、米国、EU、日本ともにほぼ一定である。2012年における対2000年比は、米国、EU、日本がそれぞれ、94%、113%、90%である(EUは東欧を含むために増加傾向にある)。対して中国は271%と大幅に増加し、世界一の板紙消費国となった。

 しかし、米国、EUともに人口は増加している。そこで、この間の板紙1人あたりの使用量を比較してみると、図2のように2000年に対して2012年には米国、EU、日本がそれぞれ、85%、107%、89%である。

 日米は漸減傾向にはあるものの、その変化は小さい。米国、EUも急激な変化は見られない。中国はここでも253%と大幅に伸びている。

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藤原 秀樹 Hideki Fujiwara

 

カーボンニュートラル資源研究所 代表

慶応義塾大学工学部卒・同大学院修了後、十條製紙(現・日本製紙)入社。

米国・ウェスタンミシガン大学留学。工学博士。

日本製紙・取締役・研究開発本部長、関係会社役員を歴任。

TAPPIフェロー(米国紙パルプ技術協会名誉会員)、TAPPI 塗工部門技術賞 (アジア初)

東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部・非常勤講師、タイ国アジア工科大学院・客員教授

米国紙パルプ技術協会・国際研究管理委員会 委員(副委員長)
マルクス・ヴァレンベリ賞(スウェーデン)選考委員会・アジア地区大使を経て、現在は選考委員会のシニアアドバイザー

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

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