800円フレンチにハラール食、
こんなことになっている大学の学食

メニュー、サービスを競い合う“大学競争”

2014.04.11(Fri)麻生 千晶

学食を経営の学びの場に

 学食を「学びの場」として活用している大学もある。

 千葉県市川市の千葉商科大学国府台キャンパスでは、キャンパス内6カ所の学食のうち3カ所で飲食店経営希望者を学生から募集。コンペに勝ち抜いた学生が、3店舗を経営している。

 その中の1つ、本場中国で修業した学生OBによる中華料理店は、丹念に仕込んだ鶏ガラなどの動物系スープを利用した塩ラーメンなどを提供している。透明なのにかかわらず深いコクをもつと人気を呼び、学食を飛び出して市川駅前に2号店をオープンするまでの成功を収めた。

 他にも、本場カナダでホットドッグ屋台を経営していた学生OBによるホットドッグ店、それに5年間の飲食店アルバイト経験を生かした学生による洋食店も人気を呼んでいる。

 学生が経営やマーケティングを学ぶことができる。これまでの経験から挑戦し、収支を考えて店舗を経営する。学生が食べるだけでなく、食を提供する側を体験できる珍しい学食と言える。

学食も大学競争の舞台に

 紹介した学食の事例はすべて、一昔前の大学には見られなかったものばかり。今や学食は、かつての「安くてお腹いっぱい食べられる場」ではなく、海外を含む受験生の取り込みから、在学中の生活習慣のサポート、さらに職業体験までも担う場になったのだ。

 少子化が加速し、大学全入時代となっている今、各大学は「どうやったら学生に選ばれるか」を真剣に考えている。授業内容での差別化はもちろんだが、選ばれるための「大学イメージの向上」という点を考えた結果、学食に様々な役割が与えられ始めているのだ。

 学食が充実していることを志望大学の決め手とする受験生は少ないだろう。だが、各大学の学食に対する思い入れを見ると、「たかが学食、されど学食」だ。もはや昔のような「安くて、腹が満たされる」だけでは足りないのだ。他校と比べたときに「選ばれる」ためには、1つでも多くの魅力的なサービスを提供する。今の大学が厳しい競争化の中に置かれていることが見えてくる。

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