日本で学習塾を成功させた敏腕経営者がフィリピンのセブ島に進出した。その目的は強い日本人を作るためだという。42歳の本多正治さんは、中国地方を中心に9つの学習塾(明光義塾)を経営する。9つのうち4つは経営破綻した塾を買い取って再生させたものだ。
目指すは日本人の精神強化
「日本はもっと強くならなければならないと思うんですよ。そのためには日本人一人ひとりが今より強くなる必要がある。海外でそんな教育が可能な場所を探していたらセブ島に出会ったんです」
今年7月、セブ空港のあるマクタン島にファースト・イングリッシュ・アカデミーを開校、全寮制の語学学校を始めた。
教えるのは英語だが、目指すのは人間教育である。
「まだ開校したばかりで留学生は日本人ばかりですが、なるべく早い時期に台湾やロシア、タイなどからも留学生を受け入れたいと思っています」
「そういう海外の留学生たちと日本人が一緒に英語を学び、交流を深めることが大きな刺激になる。日本という国がいかに温室なのかを肌で知ってもらうことが日本人を強くする第一歩だと思うんです」
「明治維新以降、私たちの先輩は日本を強くすることに一生懸命努力してきた。それは一面、戦争という副作用を生んでしまいましたが、今の日本の繁栄は先輩たちの汗の結晶でしょう」
「しかし、最近の日本を見ていると、とりわけ学習塾を長年経営してきて思うのですが、経済だけでなく人間の精神まで弱体化してしまっている。若い人が簡単に自殺するのもそれが原因の1つでしょう」
「もっと強い日本人を作らなければ将来の日本は衰退の一途をたどってしまう。そんな思いに駆られて、また日本人に英語をもっと勉強してもらいたいという気持ちとともに、セブ島に進出することにしました」
ファースト・イングリッシュ・アカデミーは授業もなかなか厳しい。まずは1500の英単語を徹底的に覚えさせられる。それが80%以上覚えられたら次のステップに進む。