海外インターンの受け入れで情報収集ネットワークを構築

川嶋 海外からインターンや従業員を受け入れることで社内の国際化を進め、大きな成果を上げているそうですね。まずは取り組みの背景からお聞かせください。 

白井グループ社長の白井 徹(しらい・とおる)氏
(撮影:前田せいめい、以下同)

白井 きっかけは2004年、アメリカを視察したことです。グローバルなネットワークの必要性を痛感したのですが、私たちのような中小企業にはハードルが高い。

 例えば海外に拠点を作ったりすると、スタッフ1人でも年間2000万円くらいかかります。もっと効率のいいやり方はないかと考えて、ひらめいたのが海外からインターンを受け入れることでした。

 そこで、アイセック(AIESEC)というNPOと契約して、2009年からすでに7人インターンを受け入れています。アイセックは全世界で6万人の会員がいる国際的な学生団体で、インターンシップその他の国際交流をやっています。

川嶋 いくつものメリットがあったようですね。

滝口 僕たちの狙いはもともと、情報収集のためのネットワーク作りでした。アイセックを通じて来てくれるのは優秀な人材ばかりですから、5年後、10年後にその国でしかるべきポジションに就くのは間違いない。

 出身国が違う10人の面倒を見れば、10カ国に情報収集のベースができることになるでしょう。白井グループを経験して母国で就職した元インターンがニューヨークとムンバイにいるんですが、彼らはすでに狙い通りに動いてくれています。

 現地のゴミの分別方法など、知りたいことがあったら電話をかけてすぐに調べてもらいますし、こちらから視察に行くと言えば現地の訪問先のアレンジからアテンドまでやってくれたりします。われわれの仕事をよく知っているから話がスムーズなんです。

白井 ヘンな外部の会社に頼むよりよっぽどいい(笑)。調査資料なんかもそうです。インターンとして受け入れる時には、例えば「住んでいる街の廃棄物マネジメントがどう行われているか」といったテーマでリポートを書いてきてもらうんですが、プロが書いたものよりリアリティがあって面白いんですよね。

 以前、ロサンゼルスのエージェントを使っていたときのことを考えると、コストパフォーマンスは比べものになりません。