日本ではゴミの収集が市町村ごとの縦割りになっているため、海外では当たり前になっているゴミ処理業の大規模化が全く進んでこなかった。ある意味では、その縦割りを守るために私たちは細かな分別を強いられてきたと言ってもいい。

ムダが多い日本のゴミ収集

 しかし、企業など事業者が出すゴミはこの範疇外の部分もある。そこに企業としての成長とサービス向上のチャンスを見出した企業がある。白井グループだ。

 「日本の消費者だけでなくゴミ処理業者ですら海外の事情を全く知らなかった」と白井社長は言う。そのため、縦割り行政の弊害を訴える企業も国民もほとんど現れなかった。

 白井社長は海外に視察に出て、日本の後れに愕然となる。そして日本でも、米国や欧州のような近代化され効率化されたゴミ処理業を目指そうと決意した。

 ところが、海外のゴミ処理事情を調査しようにも、そういう情報は日本国内で集めることは不可能だった。もちろん役所が持っているわけがない。そこで、自力で集めようと考えたのだが、これがまた難しい。日本の企業に教えても1円の得にもならないというわけだ。

 それならばと白井社長が考えたのが、突飛なアイデアだった。海外からインターンを受け入れて海外に人脈を作ってしまおうというものだ。

帰国したインターン生が大活躍

 しかし、インターンは学生であったり、たとえ社会人でもそれほど人脈が豊富とは思えない。それでも白井社長は「何もできなくてただ手をこまぬいているより全くマシ」と言う。いや、実は想像以上の効果があったのだ。

 インターンを終えて各国に帰国した元インターン生たちは、白井社長の要望に必要以上に応えてくれた。彼らのアレンジで、白井社長以下の経営幹部は世界各国のゴミ処理事業者を訪問し、そのビジネスモデルを知ることができた。

笑顔が絶えない白井グループのスタッフたち

 白井社長のために、と帰国した元インターン生が超多忙な中でも徹底的に応援してくれたのである。それが可能になったのには、もちろん秘密がある。キーワードは「楽しい会社」である。

 詳しくはあとで述べるが、世界各国の言葉が飛び交うオフィスは、入った瞬間から明るさに満ちている。実は、この記事を書くことになったのも、ハンガリーから来ていたインターン生が、弊社の英語サイトを見て、白井グループを売り込んできたのである。英語で。

 これから白井グループについて、いろいろな角度から見ていこうと思うが、まずは白井社長やインターン生のインタビューからお届けしたい。どうぞ。