脱北して日本海を漂流していた木造の小型ボートが海上保安庁の巡視船に保護された事件で、乗っていた北朝鮮人の1人による「来年は戦争が起きる」という物騒な言葉が耳を離れない。欧州ではギリシャ国債のデフォルトを契機とするEU崩壊の危機が現実味を帯びてきた。
「死の商人」の実態をさらしたオバマ大統領
英国では暴動に対する過度な制裁が若者の不満を煽っている。ペットボトル1本の飲料水を盗んだだけで半年の禁固刑とはいくらなんでも行き過ぎだろう。
また、失業率9%台の続く米国では、好調だった中国への輸出が急減し始めバラク・オバマ大統領が掲げる輸出主導による景気回復に黄色を超えて赤信号が灯りつつある。
オバマ大統領と言えば、「世界から核兵器をなくす」など世界平和の申し子のようなリーダーと見られてきたが、実は紛争を抱える国に兵器を大量販売する「死の商人」であることが明らかになってきた。
そして中国は2011年の軍事費が過去最大。2010年に比べ12.7%増の6011億元(約7兆5000億円)になる予定。初の空母がまもなく就航する。
一方、ロシアは日本の首相交代期を狙って軍事演習を繰り広げ、爆撃機が日本列島を1周するという、昨年の大統領による国後島公式訪問に次ぐ、過去に例のない行動を取っている。
2012年は世界のリーダーが一気に代わる。中国では次世代のリーダー層に権力が引き継がれ、米国とフランス、韓国、ロシアでは大統領選があり、台湾では総統選挙がある。
北朝鮮では、金正日総書記から息子の金正恩氏に権力が引き継がれるとの公算が大きく、過去の例から何らかの事件が起きる可能性が高い。
こうした大変化を前にして、世界各国の政治がどうも内向きになり、世界の安全と発展より自国の利益優先で行動し始めている。その典型例がオバマ大統領ではないか。