小学生の女の子が、次のような文句が書いてあるシャツを着ているのを見かけたら、どう思われるだろうか?

 「私はすっごくかわいいから宿題やらなくていいの。お兄ちゃんが代わりにやってくれるの」

 意味不明のデザインだと受け流すか、笑うか、それとも女性蔑視だと怒るか? 自分の娘が喜んで着ていたとしたら、気持ちは少し変わるだろうか?

 8月、大手デパートのJ.C.ペニーがネット通販で販売していたこのシャツ(右の写真)がニュースで取り上げられるや否や、全米の母親のみならず女性たちが逆上した。

 あまりに多くの苦情が殺到したため、その日のうちにJ.C.ペニーは販売を中止し、「確かに誤ったメッセージ性がある」と認め、お詫びの文書を発表した。

 以前も、人気ブランドのアバクロが、ちょうど胸の辺りに「これがあればバカでもオッケー」と書いてあるTシャツを販売して同じように苦情が殺到し、販売中止になったことがあった。

 米国人の女性が、女性蔑視や反フェミニスト的な発言や行動に敏感に反応することは知られている。しかし、今回のJ.C.ペニーが販売したシャツに対する反応には、「女の子」を巡る、今までとは異なった新しい社会状況が影響している。

「お姫様になりたい」症候群

 スーパーマーケットやレストランで、ハロウィンでもないのに、かなり頻繁にシンデレラや白雪姫の格好をした幼い女の子の姿を見かける。

 公園では、よくバレリーナがステージで着るチュチュのような、ギャザーが細かく入り、ふわふわと動く短いスカートを着ている女の子を見る。チュチュの色はたいていピンクだ。