あの忌々しい計画停電とはいったい何だったのか。多い時には1日に2回、3時間ずつ電気が切れた。夜にこの“被害”に遭うと、家の中はもちろん街灯や信号機も消え、突然に真っ暗闇が襲ってくる。東京23区の人たちはこの経験ができなかったと思うとお気の毒である。

計画停電がもたらした家族の絆と会話

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 最新のLED型懐中電灯と、愛用している自転車に装備しているLEDヘッドライトを2本取り外してテーブルの上に置き、天井に向けて照射する。これが意外に部屋全体を明るくしてくれる。

 輝度も高く消費電力が少ないことから、計画停電の期間中、電池を交換することもなく、この3本の明かりだけで真っ暗な夜の不安から私と家族を救ってくれた。

 そしてこの光を求めて夏の虫のように集まる家族。テレビもない中で、家族が集まれば自然と会話に花が咲く。

 日頃、仕事に追われて子供たちの顔を見ることも少なかった身には貴重な時間だったのかもしれない。

 しかし、電力消費がピークを迎える夏本番に計画停電の憂き目に遭うことはなくすんでいる。

 計画停電とは結局、原発を止めたくない経済産業省や電力会社による国民に対する「脅し」だったことが徐々に明るみに出始めた。

 経済産業大臣は事務次官と資源エネルギー庁長官、原子力安全・保安院長の3人を“更迭”すると発表したが、それが本当に更迭なのかどうかは別として、現代の人間社会にとって不可欠の電力を盾に取り、国民を脅すような卑しい人種には1秒でも早く公務員や政治家を辞めてもらいたい。

 国民を脅す人たちには恐らく意識がないのだろうが、そうした卑しい手口こそが、日本の原子力の安全性を脅かし、ついには大惨事を生じさせた福島第一原発事故の張本人である。