2011年7月23日に中国浙江省温州で起きた高速鉄道事故は、韓国でも大きな関心事になっている。
韓国では昨年来、高速鉄道「KTX」で事故や故障が続出しており、国民の信頼は急低下していた。そこへ中国の惨事が起きたことで、「本当にKTXは大丈夫なのか」という不安が高まっている。
韓国政府は、KTXの海外輸出を目指して活発に売り込みを図ってきたが、国内ではそれどころではないのだ。
韓国政府は、国内の不安解消に必死だ。中国での事故が伝えられるや、政府高官や鉄道関係者が「韓国ではああいう事故は絶対に起きない」と繰り返し強調している。しかし、メディアを通して出てくるコメントは、どこかピント外れだ。
KTXは本当に安全なのか?
「韓国では落雷でああいう事故は絶対に起きない」「鉄道専門家から見れば、考えられないような事故だ」などのコメントが繰り返し出てくるが、韓国の一般国民がいちばん聞きたい「KTXは安全なのか」という点になると、とたんに歯切れが悪くなるのだ。
それも致し方ないことか。実は、中国での惨事の直前にも、KTXの故障が相次いでいたからだ。7月17日には慶尚北道のトンネル内でKTXのモーターが故障、1時間以上立ち往生した。
その2日前の7月15日にも、慶尚南道でKTXから煙が出て1時間近く発車が遅れた。さらにその5日前の7月10日にも、京畿道を走行中のKTXの温度監視装置から異常を示す信号が出て列車が遅れた。
まだある。7月1日にはソウル郊外の駅に到着しようとしたKTXの歯車部分から煙が出て列車が遅れる故障もあった。