ジャパンモビリティショー2025では乗用車8台、商用車5台の13台を展示したBYD JAPAN(出所:BYD JAPAN)

 ジャパンモビリティショー2025で軽自動車のEV「ラッコ」、日本の普通免許で運転できる小型EVトラック「T35」と日本市場向けの専用設計車を発表したBYD。さらに12月には日本では初の投入となるPHEV「シーライオン6」を発売した。2023年の「アット3」発売から2025年6月末まで日本での登録台数は5305台にとどまるが、ヤナセと新会社を設立するなど販売体制の拡充も進めている。BYDが日本のジャーナリスト向けに開催した発表会から、自動車ライター・大谷達也氏が日本におけるBYDの歩みと今後の展開をリポートする。

日産リーフ、プリウスPHEVよりも早いBYDの量産電動車

 BYDは1995年に中国の深センでバッテリーメーカーとして誕生。当初はモトローラやノキアなど携帯電話を生産するメーカーにリチウムイオン電池を供給していたが、2003年に中国の国営自動車メーカーを買収すると自動車事業に参入。2008年には世界初の量産型プラグインハイブリッド車(PHEV)とされる「F3DM」の販売を開始。2009年には同社初のEVである「e6」の量産を始めている。

BYD e6(写真提供:ロイター=共同)

 一般的に普通車サイズで世界初の量産型EVは日産リーフだとされるが、e6もほぼ同時期に発売されていたことは注目に値する。また、2009年12月からリースが開始されたトヨタのプリウスPHVが世界初のPHEVだと信じていた多くの日本人にとっては意外な歴史だろう。