単なる戯言ではないグリーンランド買収、米国の保守派識者たちも熱烈支持
西部開拓時代から米国に根づいた国土拡張の夢をもう一度
2025.1.13(月)
高濱 賛
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グリーンランド買収にどこまで本気なのか
ドナルド・トランプ次期米大統領がデンマーク領グリーンランド獲得に異常なほどの意欲を見せている。
デンマークはもとより、北大西洋条約機構(NATO)のメンバーのドイツなどは猛反発している。
一部に「トランプの狂気」などとあざ笑い、「まさか本気ではあるまい」という向きもある。
「狂気」を押しとどめるのは日欧など同盟国だ、という声もある。
米国内にも「起こり得ないことを話題にするのは時間の無駄」(アントニー・ブリンケン国務長官)という声もあるが、トランプ氏は一切耳を貸そうとしない。
今やトランプ氏の超側近となった億万長者、イーロン・マスク氏も英独の極右勢力を支持する一方で、「アメリカ第一主義」の立場からグリーンランド買収を後押ししている。
一方、トランプ第1期政権の大統領国家安全保障担当補佐官だったジョン・ボルトン氏は、「成功しそうもない取引をまた持ち出すのはクレージーだ」と言い切っている。
(もっとも、ボルトン氏は2016年にトランプ大統領がグリーンランド買収を提案した当時は補佐官だったが、解任されて以降はトランプ批判を続けており、買収反対を唱えても特にインパクトはない)
(ブリンケン氏もボルトン氏もグローバリスト。トランプ政権下では彼らの声はおそらくかき消されるだろう)
トランプ氏が1期政権の時に言っていたグリーンランド買収を再び主張している理由について、米メディア、主流シンクタンクは次のように解釈している。
一、グリーンランドが安全保障や経済面での要衝となりつつある。
二、周辺海域は温暖化で氷が解け、船舶の運航が急増する。
三、レアアース(希土類)など豊富な地下資源も近年明らかになった。
四、北極圏への進出を強める中国とロシアを牽制する狙いがある。