先制攻撃はトランプの特技

 米ハーバード大学教授のステファン・ウォルト氏はその点をとらえてこう指摘する。

トランプ氏もマスク氏も全世界を脅すことができると確信しているかのように見える」

「ギブアンドテイクの『トランザクショナリズム』(Transactionalism=相互浸透主義)を飛び越えた、あからさまな行動に出ることで、相手に先制攻撃を仕掛け、譲歩させようとする手口だ」

The method in Trump’s Greenland madness

 グリーンランド買収については、過去にも米政権が動いたことがある。

 1860年代のアンドリュー・ジョンソン第17代大統領がアラスカ買収に続いてグリーンランドの取得にも動いた。

 第2次世界大戦直後にはハリー・トルーマン第33代大統領が購入を提案した。

 当時の1億ドル(2025年時点では約20億ドルに相当)でデンマークに買収を打診したが拒否されている。