2026年の展望と物理的制約の克服
冒頭で触れたように、2026年の世界半導体売上高は約1兆ドルの大台に達する見通しだ。SIAのジョン・ニューファー会長は、今後1年間は強い上昇軌道が続くと分析している。
しかし、成長の持続性は物理的な供給能力と製造コストのバランスに依存している。
生産現場では、TSMCによる米国拠点の拡張など、地政学的リスクを考慮した供給網の分散が進む。米国が台湾の半導体供給網の40%を国内に移転させる目標を掲げる中、製造コストの上昇は不可避の情勢だ。
AIがもたらす体験価値が、高騰するハードウエアコストを正当化できるかが今後の焦点となる。
半導体はもはや単なる電子部品ではなく、国家安全保障と経済競争力を左右する「戦略物資」としての地位を固めた。
1兆ドル規模へと膨らむその市場の足元では、AIインフラへの資源集中と、それに伴うデジタル製品価格への影響という新たなひずみが広がりつつある。
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