輸出収入24%減の激震、国家財政の4分の1を支える「資源依存」の脆弱性

 ロシア財政の悪化の背景には、前出のように歳入の3割を占める原油・天然ガス収入の縮小が挙げられる。

 特にロシアの原油輸出先は、中国とインドの2カ国で9割近くを占めるが、全体の3~4割に達するインドが、欧米からの執拗な要請に屈し、2025年後半から輸入量を徐々に減らしているのが、ボディーブローのように効いている。

 米CNNによれば、2月2日にトランプ氏がインドのモディ首相と会談し、インドがロシア産原油の購入停止と引き換えに、アメリカがインド製品に課す50%の関税を18%に即時に引き下げることで合意したという。

2025年2月、トランプ米大統領(右)と会談するインドのモディ首相(写真:ロイター=共同通信社)

 インドの購入量がすぐさまゼロになるわけではないが、国家財政を原油に依存する一大産油国・ロシアにとって、“激震クラス”の衝撃だったことは間違いない。

 2026年2月5日付の米フォーブス誌によれば、ロシア財務省は2025年の原油・天然ガスの輸出収入は、約8.5兆ルーブル(約1102億ドル)で、2024年の約11.1兆ルーブル(約1447億ドル)と比べて約24%減少したと公表した。

 ロシアは国家財政の4分の1を原油・天然ガスからの税収で賄うだけに、この落ち込みは非常事態に値するはずだ。

『データブック・オブ・ザ・ワールド2026』(山川出版社)によれば、2024年のロシアの輸出額約4172億ドルのうち、原油は22.5%、天然ガス11.3%で合計33.8%、約1410億ドルで、これは「大本営発表」的なロシア財務省の数字とほぼ一致する。

 ガソリンや軽油、重油など、原油由来の石油製品の輸出規模14.2%も加えれば、全輸出額に占める石油・天然ガスの割合は48%に跳ね上がる。

 輸出で外貨を稼ぐ半分が原油/石油製品・天然ガスだけに、欧米の締め付けが今後プーチン政権を真綿で首を絞めるように苦しめる可能性が高い。

ロシア・ノボロシスク商業港の原油積み込みターミナル(ⒸIgor Onuchin/TASS via ZUMA Press/共同通信イメージズ)