CIWSを急遽取り替えた北朝鮮

 北朝鮮は2025年4月25日、駆逐艦「崔賢」号の進水式を行った。

 その駆逐艦の左右の側面にロシア製の30ミリCIWS(Close-in weapon system:近接防空システム)「AK-630」が設置してあった。その火器の射撃映像が4月28日に公表された。

写真1 左:「崔賢」号設置の「AK-630」、右:「崔賢」号設置「AK-630」の射撃

出典:朝鮮中央通信

 ところが、同年10月5日に金正恩氏が「崔賢」号を視察した時の写真では、写真2の兵器に取り替えられていた。

 写真1と2を比べると、形が全く異なっていることが分かる。北朝鮮は、わずか5か月ほどしか経っていないのに、完成した兵器を交換したのである。

写真2:取り替えられたCIWS

出典:朝鮮中央通信

 この形のCIWSに類似したものを調べたところ、中国の「730型CIWS」にかなり似ている。しかし、レーダーの形や位置などが異なり、全く同じではない。

 半年もたたないうちに、ロシア製のCIWSを取り外し、中国製に似たCIWSに取り替えた理由は何か。

 考えられる変更の理由は、①CIWSの「AK-630」が時代遅れで、実際の射撃実験の結果、攻撃してくるミサイルを撃墜できなかった、②ロシアが北朝鮮に新型の兵器ではなく旧型を供与した、③ロシアの防空兵器がウクライナ戦争でウクライナのドローンにより大量に破壊されている実績などであろう。

 CIWSは、国産艦へのミサイルの攻撃に対して最後の砦だ。

 この兵器が万一十分に機能しなければ、高価で大量の兵器を搭載し兵士も多く乗り込んでいる艦船が沈められてしまう。北朝鮮の金正恩氏は、より信頼できる兵器を選んで、早期に取り替えたのだろう。