情報開示にステークホルダー軽視の姿勢が透ける
その内容は、米国などで二酸化炭素の排出規制が厳しくなることを想定して排出権のクレジットを保有していたが、規制が強化されなくなったため、クレジットを減損処理したことや、パワートレイン(動力源)への投資の減損処理などが含まれる。6500億円の最終赤字のうち、キャッシュアウトする赤字は1500億円程度だという。
退職金関連では、まだ労働組合と正式に合意していないため、詳細が言えない可能性はある。ただ、そうした事情も公式の場で説明すればいい話だ。
本来であれば、こうした情報はオープンに公開されている正式な決算発表の場で開示されるべきで、一部メディアしか参加しないバックグラウンド説明の場でされるべきではないと、筆者は思う。
さらに言えば、構造改革費のうち設備の減損がいくら、排出権クレジットの減損がいくら、退職金負担がいくらといった具合に詳細を丁寧に開示しないと、最終赤字に陥る要因が理解しづらい。繰り返すが、株主や投資家、ステークホルダーに対する説明としては不誠実と見られても仕方ない。
日産の26年3月期での小売販売台数は、前年同期比4.4%減の320万台となる。国内、北米、欧州、中国といったすべての主要市場で前年割れとなる。EV「リーフ」、軽自動車「ルークス」のモデルチェンジや、新世代「e-Power」の市場投入など商品面での復活も目指しているが、まだその効果は明確には表れていない。
経営再建計画では、市場を再定義することを示したが、そこでは、北米や国内を重点市場と位置付けている。しかし、地域別では特に国内の落ち込みがマイナス8.9%と最も大きい。日産車は日本の消費者から見捨てられ始めていると言っても過言ではない。