草の根交流の大切さ

 この間、日本でも尖閣問題の時のような反中論、嫌中論一色になる状況は見られていない。一定の頻度で、高市発言に対して、もう少し慎重であるべきだったという意見がメディアで紹介されている。

 また、中国人観光客が減って、ホテルやレストランが困っているという報道も散見される。これは以前はほとんど見られなかった現象である。

 このように、尖閣問題の頃と比較すると、日中両国とも国民の相手国に対する理解が深まり、関係の成熟が感じられる。

 それを支えているのは、中国人のインバウンド客の急増、日本企業の対中ビジネスの拡大、SNS等ソーシャルメディアによる情報共有を通じた相互理解の深まりなどである。

 日中関係において外交関係が悪化しても、両国の国民相互間の理解の深まりが、両国関係安定の支えとなっている。

 この点を考慮すれば、旅行、経済・文化交流を通じた草の根レベルの民間相互交流の重要さがよく理解できる。

 今回の高市発言後の日中関係を尖閣問題発生当時の状況と比較すると、政府レベルの外交関係が悪化した場合でも、民間人の草の根交流を安定的に維持することの重要性がよく分かる。

 中国当局側もこの点を尊重することを期待したい。