――数年前に指摘されたことと、閉経後かつ運動不足の生活なので、かなり悲観していました。

今城 脂肪肝ドックと銘打っていますが、消化に関わる実質臓器(中身が細胞や組織で詰まっている固形の臓器)の多くをチェックすることができますから、病気の早期発見・早期治療に大いに役立つと考えています。

 従来の肝生検では肝臓全体の5万分の1しか採取できませんし、患者さんへの負担も大きいですが、MRエラストグラフィは、精度が高く身体に傷を付けることもありません。将来的には生検と置き換わる診断法になる可能性もあると考えています。

 ただ、MRエラストグラフィを導入しているのは全国で100施設に満たないのが現状です。

 最近は医療現場でもAI活用が話題になっていますが、画像検査とAIを組み合わせれば見落としも少なくなりますし、検査のコストを下げることもできるのではないかと思います。

肝臓をブラックに働かせないで

――MRエラストグラフィは、医療の現場ではどのような場合に使われるのですか。

今城 線維化が少し進行している、あるいは炎症が強いといったMASHを強く疑う方には保険診療で使うことができるのですが、そのような状態でも受診されない方もおられます。

 体調不良は感じないけれど、健診で脂肪肝を何年も指摘されたことのある方は、たとえば定年退職が近くなった頃に、脂肪肝ドックを受けてみてはいかがでしょうか。坂元さんのように何もなければ安心ですし、周辺臓器も含めて何かあってもすぐに治療に取りかかることができます。

――私のように脂肪肝を恐れつつ、行動に移せない人々へメッセージをお願いします。

今城 暴飲暴食、特にお酒を控えましょうとお伝えしたいですね。アルコールは肝臓にかなりの負担をかけます。肝臓は、普通の生活をしていれば本当に再生能力の強い臓器ですが、負担をかけ過ぎるとどんどん壊れて過労死に至ります。ご自分が肝臓に長時間労働や、劣悪な労働環境を強いるブラック企業みたいになっていないでしょうか。どうかご自身も、そして肝臓もよく労って大切にしてください。