――積極的な治療とは、具体的に何をするのでしょうか。

今城 食事や運動療法がベースになります。「やっぱりそれか」と思われるでしょうが、管理栄養士や健康運動指導士、理学療法士といった専門家のサポートを受けながら取り組んでいただくことが大事です。

 遺伝的な要因や体質によって、どんなに運動しても、アルコールや糖分を制限しても改善できない方もおられます。その場合は、投薬治療もおこないます。最近は薬の種類も増え、一人ひとりの状態に応じてきめ細やかに対応できるようになりました。

 ご自身で食事や運動に気を配るのもいいと思いますが、翌年も結果が変わらない、悪化した場合はぜひ受診してください。脂肪肝を放置すれば、生命予後に大きく関わります。自己免疫性疾患やウイルス性肝炎などの病気が隠れていることもあります。

〈脂肪肝ドック〉で肝臓の現実を直視してみる

――肝臓の線維化を早期発見できれば、他の代謝異常関連疾患も含めて早期の治療が可能になりますね。

今城 実際に線維化の進行を判別するのは難しいものなんです。エコー(超音波検査)では脂肪肝は白く光って見えています。線維化が肝硬変まで進むと肝臓の縁がデコボコしてくるのがわかるのですが、その中間がわかりにくいのです。

 肝臓の状態を把握するためには、肝臓に針を刺して組織の一部を採取して調べる肝生検が最も信頼できる検査です。ただ、局所麻酔を使うとはいえ痛みを伴いますし、出血や周辺臓器を傷つけるリスクがあります。たいてい1泊2日の入院でおこなうので、費用もかかります。

 そこで、できるだけ身体を傷つけない検査として、生体組織の硬さを定量的に測定できるMRエラストグラフィ(MRE)という最新技術が登場しました。

 既存のMRI(磁気共鳴画像法)装置で撮影する際に、振動するアタッチメントを装着してもらい、肝臓を振動させます。その振動と同期させてMRI撮像すると、肝臓を通過する振動波の波長によって硬さを測ることができるのです。針を刺すという苦痛もありませんし、入院の必要もありません。

 当施設では臨床でも用いますが、「脂肪肝ドック」で利用していただけます。身長、体重、腹囲を計測して血液検査をおこない、MRエラストグラフィを撮影するというメニューです。

MRIを受ける筆者。腹部に載せたアタッチメントがお腹に振動を加える