弟は命を懸けて実証実験を行った唯一の人
私は一審で、「現場で唯一実証実験をやった人がいる」と話しました。それは、右折車側の弟です。
この速度の衝撃は、今後も誰も試せないことです。その姿を裁判官たちにも直視して欲しいと思います。こんな高速度でなければシートベルトが千切れるなど起きません。車外に投げ出されることなく、車内に残っていたら命が助かっていたかはわかりませんが、身体に与える衝撃は全く異なったものと考えます。
事故で命を奪われた小柳さんが乗っていた車(遺族提供)
現場まで真っ直ぐ走ってきたからというだけで、制御出来ていたと、果たしてそのような解釈は正しいのでしょうか。
加害者は右折車に気づいたとしても僅かなハンドル操作、ブレーキ操作を一切行っておりません。自らの危険を回避したことも考えられます。初めて乗った車ではなく、何度もスピード超過してきたと本人が供述しており、常習性がある極めて危険な行為を繰り返していた人物であることは明らかです。
40日間で走行距離が4000キロです。仕事で車を使っていたわけではありません。普通の会社員が1日平均100キロ走れますか。時速50キロだと2時間かかりますが200キロ出せば30分です。車の特性は十分知って運転出来る経験値としては十分な走行距離です。
この194キロを制御出来る速度として考えるのであれば、右折車が見えたなら故意にぶつかった。ブレーキを全く踏めてないので、もしも右折車を確認出来ていないなら、高速度により視野が狭まっていたという証拠になるのではないでしょうか。
亡くなった小柳さんの死亡診断書(遺族提供)
実証実験は叶わなくても、判決後に検察官がおっしゃっていたように、高性能なシミュレーターを使い、物理的観点からの検証は可能に思います。車の製造や開発に携わっている人のご意見も寄せられており、これが過失だとはあり得ないという声も聞かれます。法律の専門家には分からぬ、自動車工学の専門家のご意見も取り入れられたらと思います。差し戻して審理すべきことはたくさんあります。