以下は、高裁判決からわずか4日後に、遺族(被害者の姉・長文恵さん)がまとめ上げ、福岡高検に提出した『陳述書』です。事故現場での実証実験についてのくだりと高裁への怒りについて綴られた箇所を一部抜粋して紹介します。
<遺族の『陳述書』より>
高裁裁判官の要求は「ハラスメント」
私は一般道である事故現場で194キロの走行実験を懇願したことがあります。しかしながら、それは現実的には不可能です。加害者の車(*BMW2シリーズ クーペ)は廃車となっており、高級外国車の限定車で希少性のある車と伺っていますので入手困難です。
一般道で時速194キロで爆走し事故を起こした元少年が乗っていたBMW(遺族提供)
また、国内で194キロで走行出来る一般道など存在しません。そこで、サーキットでの走行実験となったのだと思います。道路を封鎖してライトの照射実験はされております。
ドライバーについては、プロドライバーや警察官でしたが、福岡高裁の判決が指摘するように、厳密に同条件で実証実験をやれと言うのであれば、加害者本人がやるべきです。そして、ほんのわずかなハンドル操作やブレーキ操作を実験し、本当に制御出来る高速度であったのか、私としても真実を明らかにして欲しいと思います。
ただ、現実問題として、そのようなことができるとは思えません。
福岡高裁の裁判官たちは、そのような実証実験を一般道である事故現場で行うべきという無理難題を、本気で考えておられるのでしょうか。そうだとすれば、証拠不十分として差し戻す方法もあったのではないかと思います。
1月22日、高裁判決の後に記者会見する遺族ら(筆者撮影)*写真は一部加工しています
このような非現実的な要求をすることは、一般社会ではハラスメントといいます。実際には出来ないことを今さら指摘して、それが無いから証拠不十分だとして、大分地裁に差し戻すことさえせずに切り捨てるなど、これが日本の裁判官のあるべき姿とは到底思えません。果たして最高裁でも同じ考えなのか是非聞いてみたいです。