最悪のケース「国債のデフォルト」

 最後に、生保会社として対応しようがない最悪のケースとして、「国債のデフォルト」という事態があります。

 現在の金利上昇は政府の財政拡大路線が原因であるというのが一般的な見方となっていますが、仮にこのままの財政拡大が続いた場合に、政府が国債の利払いや償還ができなくなってしまうという「デフォルト」という事態が生じるおそれがあります。

 日経新聞*2によれば、現在の金利(2.5%程度)が継続すると、2034年には利払い費だけで25.6兆円になり、消費税収がまるまる国債の利払いに消えてしまうという試算がなされています。

*2長期金利、迫る「運用部ショック」時の2.44% 日本売り防ぐ処方箋を(日本経済新聞)

 一部の論者の間では「自国通貨建ての国債はデフォルトしない」といわれていますが、それは通貨の大量発行による大規模なインフレーションとセットの話です。

 また、通貨の大量発行によるインフレか、増税による財源の確保か、それとも国債のデフォルトを選ぶかは、結局はそのときの有権者の判断次第であるとも言えます。

 いざそのような経済環境が訪れたときに「インフレや増税ではなく、これまでボロ儲けしてきた金融機関に負担させろ!」といって国債のデフォルトを選択しようとする政党が政権を取る可能性はゼロではないでしょう。

 ギリシャ危機では民間向けの国債が50%ほど元本カットされ、「秩序あるデフォルト」と呼ばれたのは記憶に新しいところですし、財政危機にもかかわらず「反緊縮」を訴えた政党が選挙で勝利したものの、結局は行き詰まって「緊縮」を余儀なくされたということもありました。

 生命保険会社はバブル崩壊や金利急落によるゼロ金利・マイナス金利により大きな打撃を受けましたが、それらは事前に予測することは困難でした。国債のデフォルトも事前にその予兆をつかむことは容易ではないように思えますし、なにより生命保険会社が購入しているのは30年債、40年債という超長期債です。

 今購入した国債は40年後はたして本当に償還してもらえるのか、「国債の信用リスクはゼロ」という規制上の扱いをそのまま信じることのできない時代に突入しつつあるのかもしれません。