櫛部監督が語る箱根駅伝とチームの今後
箱根駅伝で総合7位に入り、4年連続のシード権を獲得した城西大。なかでも強烈な走りを見せたのが前回に続いて2区を務めたヴィクター・キムタイ(4年)だ。
トップと23秒差の6位でスタートすると、早大・山口智規(4年)と並走するかたちでレースを進行。権太坂(15.2km地点)の通過は2位タイで、個人タイムは4位だった。ここから山口を引き離していくと、トップの中大を逆転。戸塚の壁を力強く駆け上がり、驚きのタイムを叩き出した。
「彼はどちらかというと5000m志向のランナーで、前回の2区(10位)は権太坂以降、大きな落ち込みがありました。全日本大学駅伝3区で区間賞を逃したことも相当悔しかったようです。『スタミナ練習は大事だよね』というのを改めて伝えて、全日本以降は試合に出ず、苦手なロングの練習をしっかりやったんです。彼はクレバーなので、自分がダメだったところで、今回は行けるように仕上げてきました。戦略的にやった結果だと思います。それにしても速かったですね」
櫛部静二監督は「5分台が出れば最高。6分10秒でいいよ」と声をかけていたが、キムタイは区間記録を22秒更新する1時間5分09秒で走破した。
そして5区の斎藤将也(4年)は青学大・黒田朝日(4年)とほぼ同時にスタートするも、函嶺洞門(3.5km地点)で22秒差をつけられた。それでも区間歴代4位の1時間9分28秒(区間2位)と活躍した。櫛部監督は日本人エースの走りをどう見ていたのか。
「上り部分は黒田君とさほど変わらなかったんですよ。途中、黒田君に近づいた場面もあったぐらいですから。前回は前半ちょっと行き過ぎたので、抑えていく戦略でした。先輩・山本唯翔(現・SUBARU)のレースペースで行き、最後に上がれば、8分台を狙える、と。上りは良かったんですけど、終盤5kmの下り坂でペースが上がらなかった。そこは去年よりも良くなかったですね。ただ上りが得意な選手だなと改めて思いました」
キムタイ、斎藤ら今回出走メンバー6人が卒業するも、1区の柴田侑(3年)、3区の小林竜輝(2年)、9区の中島巨翔(3年)という区間6位トリオが残る。さらにインターハイ1500mで高校歴代5位の3分42秒05で3位に食い込んだ山本聖也(高知農高)ら楽しみなルーキーも加入する。櫛部監督は来年度を「育成の年」と位置づけているが、どのようなチーム作りをしていくのか。
「三宅駿(2年)ら今回出走できなかった選手たちに加えて、登録16人に入れなかった選手のなかにも箱根の直前にグッと成長した子がいます。また来春は留学生も入学予定です。そんなに強い子ではないので、ヴィクターのように徐々にステップアップしていけるように考えています。山本は将来、日本代表を狙える選手。長い距離もいけるタイプだと思うので強くしていきたいです」
城西大は箱根駅伝を目指すチームのなかで最も低酸素トレーニングを取り入れており、エースの育成には定評がある。キムタイと斎藤が卒業するが、今後もエッジの効いた選手が誕生するだろう。


