台湾は有事の一歩手前
その他、もう一つの大国であるロシアは、周知のように2022年2月に隣国のウクライナに侵攻した。多くの街を破壊し、人命を殺傷した戦争は、来月で丸4年となるが、いまだ停戦の見通しは立っていない。
このように、第2次世界大戦から80年を経た世界は、明らかに「乱」の時代を迎えている。第2次世界大戦後に設立された国際連合は、「5大国が世界全体を管理するシステム」を構築した。だが、いまや大国自体が暴れ出したのである。これで世界が平穏に治まるはずもない。
こうした「21世紀の乱世」に、日本がどう生き延びるかが、今回の総選挙で問われているのだ。
これまで日本は、「二つの守り神」に守られていた。一つは同盟国のアメリカである。日本は世界最強のアメリカの「核の傘」に収まっていれば、平和と安定を享受できる時代が長く続いた。
だがトランプ政権は、先月公表した「国家安全保障戦略」(NSS)で、「西半球の防衛」を強調した。これは換言すれば、日本が含まれる「東半球の防衛」は優先事項にしないということだ。その後、ベネズエラ侵攻を経た今日までの言動を見ても、そのことを体現している。
それでも、日本の周辺が平穏なら構わないが、中国の脅威は増すばかりだ。習近平政権は、周知のように日本への圧力を加え続けている。台湾に対しては、前述の通り「有事」一歩手前だ。
中国の習近平主席(写真:新華社/共同通信イメージズ)