道路、橋、トンネル、ダム…相次いで耐用年数切れに
問題は下水管に限りません。国土交通省の推計では、今からおよそ15年後の2040年には、道路橋の75%が「建設後50年以上」になります。トンネルは52%、ダムなどの河川施設は65%、埠頭などの港湾施設は66%。日本を支えてきた社会資本が相次いで耐用年数を迎えてしまうのです。
目の前に迫る危機もあります。
埼玉県八潮市の陥没事故を受け、国土交通省が緊急調査したところ(2025年8月公表)、全国の直轄国道の一部・総延長3079キロのうち、陥没が起きる可能性が高い空洞が119カ所あったことが分かりました。これらは、地面から浅い場所にあったり、直径が大きかったりした空洞です。
これとは別に、国土交通省は2025年から、直径2メートル以上・敷設30年以上の下水管を対象に危険度調査に着手しています。「腐食」「たるみ」「破損」の3項目について評価。1年以内に速やかな対策が必要なものを「緊急度1」と判定する仕組みです。
この調査では「八潮市の現場と似た地盤に敷設されている」などの条件を満たす621キロを優先的に調査し、先行して公表。その結果、71自治体が管理する総延長72キロが「緊急度1」と判定されたのです。まさに、「次の八潮市事故」はいつ起きても不思議ではない状況です。