1時間に1カ所以上、日本のどこかで陥没

 道路陥没の全国状況はどうなっているでしょうか。国土交通省が公表している「路面陥没発生状況」を見てみましょう。

 国か都道府県か市区町村かといった道路管理者を区分せずに集計したところ、直近の2024年には1年間に9866件の道路陥没が全国で発生しました。過去に遡ると、2020年が9124件、2021年が9967件、2022年が1万548件、2023年が1万2209件。年によって増減はあるものの、ざっくり言えば1年間で約1万件の陥没が発生している状況です。

 換算すれば、1日に約30件、1時間に1カ所以上が陥没していることになります。まさに「道路陥没列島」です。

 直近の2023年分のデータを見ると、都道府県別で最も陥没の多かったのは、北海道の1068件で、2位が新潟県の922件。双方で全体の2割を占めた格好です。3番目に多かった愛知県は533件ですから、北海道と新潟県の突出ぶりが際立っています。

 しかも、驚くべきはその原因です。

 国土交通省の調査では、「道路施設」(道路排水施設や橋梁、擁壁など)を要因とする陥没は毎年35〜40%に達し、「道路占有物」(上下水道の老朽化や地下鉄工事など)を要因とする陥没も10〜20%程度を占めています。割合は年によって異なるものの、全体の6〜7割程度はインフラ系に起因しているとみられます。

 インフラ系の中でも特に目立つのが下水道の「埋設管」の老朽化です。経年劣化などで埋設管が老朽化し、道路の下で破損すると水が漏れだし、埋設管周辺の土砂が少しずつ流されます。その土砂の一部は下水道管の中に吸い込まれ、管の外側に空洞が発生。長い時間をかけて空洞は徐々に大きくなり、やがて地盤を支える力を失い、表層の道路面が陥没してしまうのです。

 空洞は経年劣化だけでなく、豪雨に伴う土砂の流入や周辺の土木工事、地震などによっても拡大するとみられています。

 こうしたインフラ設備はおおむね、1950年代後半から1970年代末にかけて整備されました。高度経済成長期の賜物です。しかし、それから半世紀。日本のインフラの寿命は50年と言われており、それらが次々と寿命を迎えるようになってきました。