成立当初からポンコツと言われた石破茂内閣(写真:©Rodrigo Reyes Marin/ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ)

(勢古 浩爾:評論家、エッセイスト)

 年老いてくると、徐々に、しかし確実に身体の運動機能が失われていく。昔、軽くできていた腕立てや懸垂が1回もできなくなり、前屈も開脚も関節が固くなって全然できなくなる。立ち上がったり、ズボンの履きかえのときに、ふらつく。

 身体がポンコツになるのだ。

 だが、だれに迷惑をかけることもないこんなポンコツ化なら、自分ひとりが悲哀をかこっていればいいだけのことである。

経済も研究も凋落

 しかし、世の中をつらつら眺めていると、どうも日本国全体が怪しい。

 かつては世界の中で、技術大国、経済大国を誇っていた日本が、いまやポンコツ大国になっているのではないかという疑いがでてきたのである。

 米国に次いで世界2位だったGDPは、いまや中国、ドイツ、インドに抜かれ5位となる見込みだ。わたしは悔しいとも思わず、当然だろうと思っている。

 文科省によると、その国の研究力を測る論文指数は、20年前は世界2位、直近では4位、論文数は20年前は4位だったが、直近では10位と凋落傾向。

 国力が減衰したといえ、まだG7のメンバーだが、実態はそれ以下ではないのか、という気がする。日本社会はまだ表面的には健全のように見えるが、内部は我利我利亡者と拝金主義者によって食い荒らされており、日本人の民度も相当低下している。

一片の気概も感じられない政治家たち

 なにより、国のかじ取りをする政治家のポンコツぶりが目にあまる。

 岸田文雄前内閣は「新しい資本主義」の実現を目指し、そのための「科学技術立国」を目指すことを表明したが、当然のごとく掛け声だけで終わった。

 それを引き継いだ石破茂内閣は成立当初から、でがらし議員を寄せ集めたポンコツ内閣といわれた。

 石破茂総理が年頭会見で、「楽しい日本」にしたい、とまぬけなことを述べたかと思えば、岩屋毅外務大臣はひたすら親中政策ばかりをやって、批判されてもケロッとしている。森山裕幹事長と宮沢洋一税調会長は、減税絶対反対病にかかっているようだ。