詐欺にコロッと騙される

 国民がまたまぬけである。

 警察官を騙る特殊詐欺にコロッと騙され、大金をとられる年寄りが後を絶たない。これだけ毎日ニュースで報じられているのに、である。

警視庁浅草署の一日署長に就任し、特殊詐欺への注意を呼びかける俳優の寺島進さん(写真:共同通信社)

 いまは詐欺電話の8割ほどが携帯電話にかかってくるそうだから、携帯を止めればいいと思うのだが、それはできない。

 それならば、知らない番号には絶対に出ないことだ。うっかり出てしまっても、警察からかかってきたら、即、切ることである。いきなり切ったら失礼なのでは? もへちまもないのである。

 文字通り、頭のネジが外れてるようなポンコツ人間が増えている。

 車の煽り運転や自転車で邪魔するやつ。コンビニや病院や学校でカスハラをする人間や、近隣迷惑をする人間がいる。なにが楽しいのか、大音量の音楽をかけたり、隣家に汚物を投げ込んだり、暴言を吐いたりしているのだ。

 この連中は話し合いでかたがつかないから、どうしようもない。住民のだれかが犠牲になって、刑事事件にするほかはない。

ではなぜポンコツ人間が増えた?

 なぜポンコツ人間が増えたのか。

 よくわからないが、こういうことが関係しているのではないかということを、思いつくまま挙げてみる。

 政治家や官僚は国や国民のことを考えるよりも、党や省のことを優先していること。

 テレビ局員と芸人は視聴者のことなど二の次で、視聴率を叩き出すことしか考えていないこと。かれらの特権意識と共犯関係の樹立。

 IT化の普及、SNSの発達で、だれもが自己表現ができるようになったこと。「いいね」の高評価ボタンと、「チャンネル登録」のお願い、「再生回数」によって、無関係の相手から「承認」されたい、あわよくば金を儲けたいという社会になったこと。

 加害者の人権侵害を極度に恐れすぎ。つまりクレームを受けたくない。あわよくば承認されたいの反対で、自分の責任は絶対に問われたくないと思うこと。

 絶対安全神話が蔓延していること。小泉大臣が古古古米の倉庫視察するだけなのに、ヘルメットをかぶる。地震のときも、テレビ局員だけヘルメット。

 これらがあたっているかどうか、まったく心もとない。日本のポンコツ化は行くところまで行くしかない。