ベネズエラ・ロドリゲス暫定大統領の出方は?(写真:AP/アフロ)
トランプ政権によるマドゥロ拘束後、世界の注目がベネズエラに集まっている。ベネスエラの暫定大統領には元副大統領のデルシー・ロドリゲス氏が就任した。同国の政権移行はスムーズに進むのか。ベネズエラに詳しいアジア経済研究所主任研究員の坂口安紀氏は「大半のベネズエラ国民はマドゥロが政権を離れたことに安堵する一方、米国の出方には戸惑っている。またベネズエラの政権がすぐに『親米』に舵を切るかは不透明だ。閣僚・軍関係者の同意は得づらい」と分析する。
(湯浅大輝:フリージャーナリスト)
鉄面皮のロドリゲス、汚職まみれの体制側
──マドゥロ拘束後、元副大統領のデルシー・ロドリゲスが暫定大統領に就任しました。チャベス(元大統領)・マドゥロ路線のベネズエラは明確な「反米国家」と言われていましたが、米国に対して融和的な国にこれでなるのでしょうか。
坂口安紀氏(以下、敬称略):ベネズエラの今後を占う上で、ロドリゲスとマドゥロ派の閣僚、軍高官の人物像を知ることが重要です。
まず、ロドリゲスについて。彼女はそもそも、2024年の大統領選で敗北したにもかかわらず武力で実効支配を続けるマドゥロに副大統領として任命された人物ですので、彼女も正当な副大統領とは言えません。ベネズエラは民主主義国家とは言いがたく、チャベス・マドゥロの息がかかった人間たちが政治・軍を支配しています。
ロドリゲスは幾度も政権の危機を乗り越えてきた、経験豊かな政治家です。そのため米軍がマドゥロを拘束し、トランプが「言うことを聞かなければ第二の攻撃が控えている」と脅したとしても、トランプ政権の出方を緻密に計算した上で行動すると思います。
表向きには米政権に協力する構えを見せつつ、時間稼ぎをしながら現状分析を続け、現体制の延命に努めようとするシナリオも考えられます。
そもそも、ロドリゲスは56歳と若いですが非常に老獪な政治家です。胆力はもしかしたらマドゥロ以上かもしれません。
──なぜ、そのように言えるのですか?