微妙に食い違うトランプとルビオのホンネ

坂口:トランプ政権とロドリゲス率いる新生ベネズエラ政府の取引がどの地点で妥協できるかにかかっているのかもしれません。

 トランプの狙いは大きく2つ。モンロー主義に基づいた南北アメリカ大陸の平和、つまり「反米国家」の根絶と石油事業でしょう。

 トランプのベネズエラに関する発言を聞いていると、「民主主義」というかつてのアメリカの他国への介入の口実が一言も出てこないのが特徴的です。彼の中では、南北アメリカの国々の政治体制はどうあれ、アメリカの安全保障を脅かす反米国家の台頭だけは許されないという信念があるのでしょう。

 一方、国務長官のマルコ・ルビオの思惑はトランプのそれと少し異なるかもしれません。彼の両親はキューバからの移民です。彼は「反共」「反・反米」というイデオロギーを強く持っています。マドゥロがいなくなったとはいえ、ロドリゲス暫定大統領らのもとで権威主義的で反米を掲げる政権が継続することを、ルビオが許すとは思えません。

トランプ大統領とルビオ国務長官の「ベネズエラ観」の違い(写真:ロイター/アフロ)

 アメリカのベネズエラへの要求はトランプが側近の誰の、どんな意見を重視するかで変わってくるのだと思います。

 一方、マドゥロへの起訴状にある「太陽カルテル」(麻薬ブローカー)と共謀した人物たちの排除は、米政権からロドリゲスに最低限求める可能性は高いと考えます。

──マドゥロを拘束してもなお、反米路線が改まらないのであれば、今回の作戦の実効性を疑う向きも出てくるかもしれません。