トランプ外交は「孤立主義」ではなく「米国第一主義」に再定義
トランプ政権は「文明の消滅」という危機感を煽って欧州の極右・ネオナチとの連帯を正当化している。「欧州を欧州らしく保つ」という考え方はアジアやアフリカからの移民が欧州の白人・キリスト教的本質を希薄化させているという歪んだ認識に基づいていると同氏は指弾する。
国家安全保障戦略でトランプ外交は「孤立主義」ではなく、自国の利益に直結する場合には圧倒的な力を行使する「米国第一主義」に再定義された。トランプ政権の介入は「世界の警察官」としての道徳的義務ではなく、3つの「実利」に基づいている。
(1)経済・資源の確保、(2)不法移民と治安、(3)米国の負担軽減のための強制終了――だ。トランプ氏の支持基盤であるMAGA(米国を再び偉大に)の核心は「外国の民主化や人道支援のために米兵の血と税金を使わない」ことにある。
米国の経済的利益を追求するためのピンポイント介入はMAGA支持者にとっても「米国の国益を守るための戦い」ととらえられる。国家安全保障戦略はこれまでの「民主主義VS専制主義」という対立軸を捨て西半球重視(モンロー主義の復活)とあくなき資源確保を核に据える。