信教の自由の侵害が著しい「特別懸念国」に再指定
今回の軍事介入から他国への主権侵害を厭わない第2次トランプ政権の“新モンロー主義”が浮かび上がる。トランプ氏の投稿は「キリスト教の守護神」としてのトランプ像を支持者に焼き付ける政治的宣伝(プロパガンダ)の性格が強い。
トランプ政権は10月末にナイジェリアを信教の自由の侵害が著しい「特別懸念国」に再指定。さらに11月にはキリスト教徒への暴力を放置しているとしてナイジェリア政府への支援停止と軍事介入の可能性を警告していた。
アフリカ政治に詳しい学者オルカヨデ・バカレ氏は英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のブログへの寄稿(12月12日付)で「人口2億3000万人のナイジェリアは南部を主とするキリスト教徒と北部を主とするイスラム教徒におおよそ二分される」と解説する。
米軍がナイジェリア国内のイスラム国過激派を攻撃。その被害状況を見て回る地元住民たち=ナイジェリア・クワラ州オファ(写真:ロイター/アフロ)
トランプ氏の「キリスト教徒を守る」というレトリックは、米国内の強力な支持層である福音派に直接訴えかける。ナイジェリアでは過去14年間で5万人以上のキリスト教徒が虐殺されたと報告されており、「キリスト教徒ジェノサイド」と呼ぶ声すらある。