ドローン、レーザー兵器、暗視ゴーグルに数百万個のバッテリー
データセンターや蓄電に適したリン酸鉄リチウム電池で中国は世界のセル生産の99%を占め、主要部材でも9割以上のシェアを握る。ウクライナ戦争でドローン(無人航空機)、レーザー兵器、暗視ゴーグルなどの稼働に数百万個のバッテリーが必要な実態が浮き彫りになっている。
「チップが脳ならバッテリーは心臓」だ。米国防関連団体の報告によれば、主要な兵器システムの多くに外国製、主に中国製部品が含まれ、供給網の遮断は致命的リスクとなる。トランプ氏は「EVの一部」と毛嫌いしていたバッテリーの国内産業育成に強い関心を示し始めている。
米国がグリーンランドの資源開発に深く関与することは中国による港湾や空港の整備などインフラ投資「氷上のシルクロード」を物理的に排除することにもつながる。資源を買い取り、技術提供を行うことでグリーンランドを米国の経済圏に完全に引き止める戦略がある。
こうした動きにデンマーク国防情報局(FE)は最新の年次脅威評価報告書で「米国は経済力、特に高関税の脅しを含む経済的手段を自国の意志を強制するために用いるようになっており、同盟国に対しても軍事力の行使を排除しなくなっている」との見方を示している。
デンマークが年次脅威評価で同盟国の米国を「欧州安全保障の不確実要因」と位置づけるのは初めてだ。