スマート修繕のビジネスモデルとは

豊田:私たちはマンション管理組合と工事会社をつなぐプラットフォーマーとコンサルタントという2つの立ち位置を持っています。    

 スマート修繕には数百社の工事会社が登録していますが、これらの企業の信用状況などを独自審査して、条件をクリアした企業のみが受注できます。お客様は分譲マンションの管理組合や不動産ファンドなどが多いです。

 サービスの具体的な流れはこうです。

 当社にお問い合わせ、お見積り依頼をいただいた管理組合のもとに出向き、コンサルタントがご要望をお伺いします。その後、エリア、物件規模、工事内容に合わせて登録事業者を複数ご紹介します。見積もり進行する3社程度を選定いただき、現地調査を行った上で工事会社から当社に見積もりを提出いただきます。                     

 各工事会社から上がってきた見積もりを当社の専門家が独自の見積データベースを活用しながら査定し、横軸や過不足を揃えた上で比較した分析レポートを提出。工事会社による管理組合へのプレゼンも実施し、管理組合はそれらをもとに、工事会社を選ぶ、という流れです。

 私たちの収益源は、工事会社からいただくマーケティング費用です。管理組合からは、料金をいただきません(建物調査診断・長期修繕計画の作成、見直しは有料)。    

 この無料というのがポイントで、管理組合は管理会社等の見積書が手元にある状況で、総会決議や契約、費用負担を必要とせず、相見積もりを通して適正価格かどうかを確認できます。    

 工事会社からは「下請けから元請けに近い立場になり、稼げるようになった」、管理組合からは「調査に基づいた透明性の高い値段を提示されて、納得できた」という反応をいただいております。

──豊田さんは週末起業でスマート修繕を立ち上げたわけですが、創業のきっかけとなった出来事はあったのですか。